【報告会レポート】2月5日に仙台報告会を開催しました

2008.2.13

シンポジウム委員会 関由起子委員長2月5日(火)、「HIV感染者就労のための協働シンポジウム」の報告会を仙台で開催しました。名古屋に次いで、東北の要、仙台で行いました。

まず始めに、昨年東京でのシンポジウムの報告を、シンポジウム委員会委員長の関由起子埼玉大学准教授からパワーポイントを使って簡明に説明し、シンポジウムの成果や課題を伝えました。
(写真:シンポジウム委員会 関由起子委員長)

宮城労働局 菅原淳地方障害者雇用担当官次に、宮城労働局の菅原淳地方障害者雇用担当官が、HIV感染者の多くが取得している内部疾患としての身体障害者手帳と就労の際の活用や制度について話されました。

特に制度については詳しく説明され、求職者に対しては就労意欲や就労での協調性など基本的な自覚の必要性についての話、また現実にHIV感染者が内部疾患身体障害者手帳を使ってハローワークに求職の申請をした人の実数などが報告されました。
(写真:宮城労働局 菅原淳地方障害者雇用担当官)

仙台医療センター 伊藤俊広内科医長医療者として、東北ブロック拠点病院・仙台医療センターの伊藤俊広内科医長が講演されました。

現在はほとんどの感染者が働ける医療環境・状態にあることや、医療者側もHIV感染者の就労という視点を持って診療に当たることの重要さを強調していたのが印象的でした。特に、回復して安定した患者は働く意欲と社会貢献を目指して自立して欲しいという当事者向けの発信がありました。

また、最近のHIV感染症の治療開始段階に触れ、CD4数値が200/μlまで待つというここ数年の基準が見直され、CD4数値 350/μlが目安になってきたとのことでした。そうすると内部疾患としての身体障害者手帳取得の認定等級が下がることが予想され、治療費などの問題で不利益が出ると診療から遠ざかったり、発症危険ラインまで待つことで逆に医療費を圧迫する可能性があるなど、治療優先でその取り扱いを考えて欲しいとの意向を示しました。
(写真:仙台医療センター 伊藤俊広内科医長)

参加者は名古屋と同様20人でしたが、内容の濃い報告会となったと思います。労働局では対応に積極さが見られ、講演は熱が入りました。

心のこもった講演に30分オーバーし、十分な質問時間が取れませんでしたことをお詫び申し上げます。また、参加された皆様や、お話をいただいた演者の方々へ心からお礼申し上げます。これからもこのテーマを掲げてシンポジウムと報告会を行なう予定です。多くの皆様の関心とご支援を頂けますと幸いです。今年度、あと2ヶ所、広島と札幌で行ないます。各会場に近在の方はぜひご参加いただけますようお願いいたします。

▼仙台報告会のPDFはこちらからダウンロードできます。

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